トランジスタ・ラジオ

ちょっと(?)昔の、ちょっといい曲をご紹介。              

秋の夜長は映画でも…。

昨日、『GREASE』の中で使われ大ヒットしたオリビア・ニュートン・ジョン

 

『Hopelessly  devoted  to  you』を紹介しましたが、映画で使われた曲って

 

いい曲が多いですよね。

 

もちろん、映画がヒットすると使われた曲もヒットするのでしょうが、

 

映画の内容は忘れたけど曲だけは覚えている、なんてこともよくあります。

 

今日ご紹介するのは、

 

マル・ウォルドロン『Left Alone』という曲です。

 

初めてこの曲を聴いたのは、私が大学生の頃。

 

角川映画『キャバレー』の中で流れていました。

 

角川映画…。薬師丸ひろ子に始まり、渡辺典子、原田知世…。

 

角川三人娘、懐かしいなぁ!

 

角川さんは上記三人の売り出しに成功し、とうとう若手男優の売り出しに出ます。

 

その名は、野村宏伸

 

『キャバレー』は彼のデビュー作でもあるのです。

 

内容は…。覚えてません!

 

この曲が全編流れていたことと、やくざ役の鹿賀丈史さんが

 

やったらめったら、カッコよかったことくらい…。

 

ハハ、どうもすみません^^;

 

面白くなかったとかではなく、私にはこの曲のインパクの方が大きくて

 

映画館出たその足でレコード屋へ直行しました。

 

ま、売ってなかったんですけどね。

 

当時ジャズは、なかなかそのへんのレコード屋には置いてませんでした。

 

映画を見たその日から、何日も何日も探しましたが見つからず…。

 

やっと見つけたのは、それから半年くらい経ったレンタルレコード屋でした。

 

見つけた時は涙出るくらい、嬉しかったのを覚えています。

 

ところで、レンタルレコード屋って、覚えている人います?

うちの嫁が「何それ?」状態で、そんなのあったか?なんて申します。

 

確かに、ありましたよね!?

 

 

Left  Alone

作詞:Billie  Holiday  作曲:Mal  Waldron  (1960年)

 

Where's  the  love  that's  made  to  fill  my  heart

Where's  the  one  from  whom  I'll  never  part

First  they  hurt  me,  then  desert  me

I'm  left  alone,  all  alone

 

There's  no  house  that  I  can  call  my  home

There's  no  place  from  which  I'll  never  roam

Town  or  city,  it's  a  pity

I'm  left  alone,  all  alone

 

Seek  and  find  they  always  say

But  up  to  now  it's  not  that  way

Maybe  fate  has  let  him  pass  me  by

Or  perhaps  we'll  meet  before  I  die

Hearts  will  open,  but  until  then  

I'm  left  alone,  all  alone

 

Seek  and  find  they  always  say

But  up  to  now  it's  not  that  way

Maybe  fate  has  let  him  pass  me  by

Or  perhaps  we'll  meet  before  I  die

Hearts  will  open,  but  until  then  

I'm  left  alone,  all  alone

All  alone


Left Alone - Mal Waldron - YouTube


キャバレー 1986年 角川映画 レフト・アローン マリーン - YouTube

 

 

原曲は1960年に発表されました。この曲にはちゃんと歌詞も存在するのですが、

 

マリーンさんが歌う『Left Alone』も上げておきましたが…。これも、いいです!)

 

発表当時のアルバムは曲のみの、いわゆるインストゥルメンタルです。

 

マル・ウォルドロンはジャズ・ピアニストですから演奏のみで当たり前なのですが、

 

この曲には深い哀悼がこめられていて、本来この曲で歌う人がいたのですが

 

その人は亡くなってしまったんです。

 

その人の名はビリー・ホリディ

 

ジャズに詳しい人はもちろん、詳しくない人でも名前だけは知っているって人も

 

いらっしゃるでしょう。

 

マルはビリーの晩年の伴奏者だった。しかもこの曲は本来彼女が歌う予定だった。

 

(作詞は彼女自身)

 

しかし、発表前の1959年に彼女は亡くなってしまうのです。

 

マルの哀しく、切ない気持ちが伝わってくる、至極の名曲だと私は思っています。

 

Left Alone